166 :本当にあった怖い名無し:2011/04/25(月) 03:31:15.09 ID:y08zdjdcO
山川菊栄「幕末の水戸藩」より
・筆者の母の知り合いの話。
幕末、知り合いの近所女隠居が居た。
貧乏で、ある日猫にたいして
「たまにはご馳走をお前に食べさせたいがこれじゃ仕方ないねぇ」
といった。
2、3日後夕方台所で猫がしきりになくのでいくと、
結婚披露宴に使うような大きな鯛の焼き物を板の間において
「これを見てくれ」といわんばかりだった。
あっちこっちに聞いて回ったが出所はわからずじまい。
・筆者の親戚のおばあさんの話
「私の帯も古くなって芯が出て困ったものだが、こう貧乏ではねぇ」
と猫に言った。
すると2、3日後猫が鳴くので
行ってみると新しい今のものと同じような色あいの
帯をずるずる引きずってきた。
これも聞いて回ったがわからずじまいだった。






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167 :本当にあった怖い名無し:2011/04/25(月) 03:36:32.95 ID:y08zdjdcO
帯の猫の話続き
・数日後、夕方豆腐屋が来たので
おばあさんが女中に「松や、豆腐屋を呼んで」
といったがきこえないのか返事がない。
すると猫が立ち上がって障子を開け
「おまつさん、お豆腐」と呼んだ。
女中が「猫が口を利いた」と叫ぶと
猫はそれきり姿を消した。