- 751 :名無しさん@涙目です。(千葉県):2011/09/27(火) 18:23:27.35 ID:Rgt7kFqx0
- 俺犬好きじゃなかったんだ。
臭いし、散歩面倒臭いし。
猫はだいすき。
実家で猫飼ってておれに懐かないけど好きだった。
大学で上京して年に二回は帰ってたんだが大学生二年の夏休みに帰ったらうちに犬がいた。
汚いブチ柄の中型犬で親父が山でフラフラになってるとこを見つけて拾ってきたそうだ。
野良歴が長いのか傷もあったりして正直全然可愛くない。
母親に帰って来てるときくらい散歩行ってきてと言われ渋々行った。
面倒臭いしからすぐ帰ろうとすると猛烈に嫌がってなかなか帰れなかった。
ますます散歩が嫌になった。
こいつは散歩中にカエルとか動いてる虫をみかけると追っかけて食べたりする。
やめさせようとするがなかなかやめない。
見てて嫌な癖だ。
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- 752 :名無しさん@涙目です。(千葉県):2011/09/27(火) 18:24:20.39 ID:Rgt7kFqx0
- 帰って親父にそのことを言うと、あいつは拾ったときガリガリで怪我だらけで凄かったらしい。食べれるものはなんでも食べて今まで生きてきたんだよって言ってた。
好き嫌いが激しい高校生の弟はあいつに弁当の嫌いな野菜とかおかずをあいつにあげて弁当を空にしてた。
ナスの煮たやつとか嬉しそうに食べてた。
あいつも大変だったんだなぁと思ったが好きにはなれなかった。
庭に繋がれてるあいつを気まぐれで除くといつも嬉しそうに尻尾振ってた。
うちの猫は呼んでもシカト。触ると嫌がる。カワイイ。
夏休みも終わり東京に帰る。
冬休みになってまた帰って面倒くさいさんぽをする。
帰ると毎回しっぽ振って嬉しそうだ。
年に二回帰ってきて数日過ごすだけの俺を嬉しそうにするあいつを見てるとなんか可愛く思えてきた。
猫は相変わらずおれを避ける。
愛情を注がない俺をあいつは大好きみたいだ。 - 753 :名無しさん@涙目です。(千葉県):2011/09/27(火) 18:25:34.64 ID:Rgt7kFqx0
- 散歩は面倒臭いけど少し長めに行ってやるようになった。
あいつは誰にでもなつく様な犬ではなかった。
野良生活が長く常に生きるか死ぬかの中で強くたくましく生きてきた。散歩中に他の犬をみかけるとすぐ襲う。
動くものはなんでも食べようとする。
そんな必要ないんだよって言っても習慣は変えられないらしい。
こいつを好きになり始めたのが4回目の休みだった気がする。
5回目の休みの前はあいつと会うのが楽しみになってた。
いっぱい遊んでやろうって思ってた。 - 754 :名無しさん@涙目です。(千葉県):2011/09/27(火) 18:26:08.94 ID:Rgt7kFqx0
だけど5回目の休みに帰るとあいつがいなかった。
調子が悪くて入院してるらしい。
じつは飼い始めたころから肝臓だかなんかが悪くなってたらしい。野良生活が長くまともなご飯も栄養もとれなかったのが原因らしい。
早く帰って来て欲しがった。
親が病院に行ってあいつと一緒に帰ってきた。
退院できたのかって思ってたら親からあまり聞きたくない話を始めた。
実はもう長くないから家で引き取って看取ることになったらしい。
トイレは行けないからオムツをいっぱい飼ってきてた。
病院に行ったとき具合が悪くて動かなかったあいつが親を見て一瞬すごく元気になったらしい。- 755 :名無しさん@涙目です。(千葉県):2011/09/27(火) 18:26:43.65 ID:Rgt7kFqx0
- 帰ってきたあいつはご飯は食べない。あんなになんでも食べるやつだったのに。そのことが深刻さを物語っていた。
あいつに話しかけたり触ったりすると一生懸命反応してくれた。
本当は動きたくないのが良くわかる。だけどガンバって尻尾振ってた。
その日はもう遅かったので寝たのだが布団に入って2~3時間もたたないうちに親に起こされた。
もうなにが起きたか分かった。
俺が帰ってきてあいつが病院から戻ってきてその日にあいつは逝った。もう限界だったんだ。けど俺を待っててくれたように思えた。いつ逝くかわからないあいつのために大量に買ったオムツを見てなんとも言えない気持ちになった。
最初は好きじゃなかったし正直鬱陶しかったあいつをこんなに好きになって好きになってくれて最後に看取らせてくれて俺は幸せだなって思えた。
あいつの何がなんでも生き続けてやるって生命力。
今頑張れるのもあいつに出会ったことのおかげでもある。
俺の犬の思い出。
飼い主はそんなに好きじゃなくても、飼われてる方は生死かかってるから必死に
愛情をそそいでくれる。
仕事でメゲたとき、そんな犬猫の態度がたまらなく救われるときがある。
仕事で嫌なことがあったとき、思い出しては「あーっ!」と叫ぶ癖がある。
そのたびに、子猫から飼ってるアイツは「キュルルル」という声と共に
寄り添ってくれる。
こいつと暮らしててよかったと思える瞬間…