その日、夜の10時過ぎに風呂に入ろうと浴室の折り戸を開けて中に入ったところで異変に気付いた
浴室内に妙な臭いがわだかまっている
浴槽用洗剤の刺激臭でもなければ排水口の生臭い臭いでもない、もっと無機的な感じ
化学の実験室なんかに篭っていそうな臭いだった
ガス給湯器が不完全燃焼しているのかとも思ったが、給湯器自体は屋外設置だし、浴室の窓は
この時期なんでピッシリ閉めている。排気が逆流したとも思えない
気にはなったが素っ裸で寒いので、取り敢えず無視して折り戸を閉め湯船に浸かる
湯の中で手足を伸ばしたところで臭いがだんだん強くなってきているのに気付いた
それも単に臭いが強くなっているのではなく、上にわだかまっていた臭いの塊が徐々に降りて来ている
そんな感じ
嫌な感じだなぁと思いつつ、かと言って何かやるべき事も思いつかず、そのままじっとしていた時
折り戸の外に飼い猫がやって来た気配がした
こいつはシャンプー嫌いなので、夏場に涼むとき以外は浴室には殆ど近づかない
珍しいなと思っていたら、いきなり
「ミャオオオォーン」
と犬の遠吠えの様な鳴き声
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- 120 :本当にあった怖い名無し:2012/02/06(月) 17:49:26.62 ID:eynkObWg0
- そんな鳴き声を上げたのは初めてだったので、びっくりして折り戸を猫の頭ほどの幅で開けて覗くと、
まるで人間が気を付けをするかのように、前足をピンと伸ばし背筋に力を入れた姿勢で座っていた
普段半目気味の目も丸く見開き、こちらをじっと見ている
「おい、どうした?」
と、声をかけても反応無し。じっとこちらを見たまま
後から考えると、俺ではなく浴室の中の「何か」を見ていたのかもしれない
10秒か20秒程そんな状態が続き、それから不意に力を抜いて興味を無くした様に寝床に戻って行った
何だったんだろうと思いつつ、再び湯船に身を沈めたところで気がついた。さっきの臭いが消えている?
立ち上がって確かめてみたが、やはり完全に臭いが消えている
折り戸を開けたので換気されたのかなとその時は思い、ゆっくり風呂に入った
風呂から上がって一服したところで、まてよ?と思った
折り戸は猫の頭の幅ほどにしか開けてないし、開けていた時間もせいぜい20秒
その程度で浴室内の空気が完全に換気されるとは思えない
と言うか、それで換気されるなら、最初に折り戸を開け放った時に速やかに臭いが消えていた筈
結局、その臭いが何かのガスだったのか、あるいはもっと違う「何か」だったのかは判らない
判っているのは、どちらだったにせよ、猫の一声でそれが消えてなくなった事
猫自身はいつもとまるで変わらず、今も俺のベットの上で丸くなっている - 121 :本当にあった怖い名無し:2012/02/06(月) 18:05:26.96 ID:H2jkbqfJP
- >>119>>120
悪魔や悪霊は硫黄臭や腐敗臭がするらしい
生きてるファブリーズにゃんこにヨシヨシしてあげてください