17: 名無CCDさん@画素いっぱい 03/07/02 01:03 ID:WMn/DVfp
猫を飼う歳月は短くない。その間に飼い主もその周囲もおおきく変化していく。
猫は飼い主の青春や思い出を封印して去っていく。
非連続の鋭利な断面をその死によってある日突然突き付ける。
巨大な喪失感である。

だが、彼女か彼氏か、その魂は消え去ったようには思えない。
飼い主の方を見てはおらず、勝手に若い頃の姿に戻って遊び呆けて
いるようだが、なにかすぐ自分の傍にいるような気がするので有る。
無神論者のわしでもそう思う。

思いたいだけでは無く、何かそこに有るような気がしてならない。





キャプチャ

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19: 名無CCDさん@画素いっぱい 03/07/02 01:46 ID:WMn/DVfp
私事で恐縮だが、自分がデジカメを始めたのは去年G.BROS.を
発売日に買った事だ。目的は趣味の魚釣りの撮影の為だが、
去年後半は仕事の面で悩むことが多く、休日に管理釣り場で
鱒を釣って帰るのが精神的な慰謝になった。
キジトラはその鱒を心待ちにしてくれて、釣りに使ったクーラー
を洗って干しておくと舐める始末だった。
その後もっと画像がいいカメラが欲しくなりS602を買った。
キジトラも遊びで撮った。
記憶に鮮明なのは、キジトラが突然死んでしまう一週間ほど
前に彼女の写真を何の気なしに何枚も撮ったことと、月を
撮影するために夜遅く外に出るとキジトラが興味深げに
着いて来たことだ。彼女はなにか言いたげな様子で自分の
傍を離れなかった。
キジトラが亡くなる3日前、G3を発売日に買った。
その翌々日の朝、キジトラは大量の吐瀉物を吐き、瞳孔散大
して極端に体温が下がった。
前日までは普段と変わらず、老いたとは言え元気に観えた。
病院に車で連れて行くのが躊躇われるほどの激変振りだった。
その様子は流石にカメラで撮影は出来なかった。
彼女は呼吸が間歇的になり、心臓が何度も停まった。
寒くなったので毛布を掛けた直後、心臓が完全に停まった。
おしっこが漏れ出していた。

20: 名無CCDさん@画素いっぱい 03/07/02 01:46 ID:WMn/DVfp
ぐらぐらする首のキジトラを抱き上げ、もう40になる男が泣いた。
翌日家の前庭の一等地の日当たりの良い場所に埋葬した。
もう、写真を撮るつもりではなかったが、もうその姿を観れないと
おもうと、
買ったばかりのG3でその壮絶な苦闘が嘘のように安らかな
寝顔のキジトラを涙をぼとぼとこぼしながら何枚か撮影した。
彼女が苦しむ結果になっても、もっと、もっと時間を掛けて
衰弱していって欲しかった。
覚悟をさせて欲しかった。

だから、G3は永遠に手放さない積もりだ。

いま、10Dでクロトラを撮影するとき、いつでもキジトラの姿が
ファインダーの彼方にだぶる。
クロトラはクロトラで別個の尊厳ある存在だが、多分、キジトラが
亡くなっていなければ、それ程デジカメに傾倒することは無かった
と思います。

21: 名無CCDさん@画素いっぱい 03/07/02 02:20 ID:cedvi7+P
>>20
泣かされました。
私は去年、1歳になるかならない子を院内感染で亡くしました。
写真が1枚も無く似た子を探すうちに猫画像サイトを渡り歩くようになってしまいました。
家にはもたくさん猫がいるのでいつでも実物を見られるのでそれまでは全く興味が無かったのに・・・。
生涯に何匹の猫達と出会うか分からないけど特に忘れられない子がいるものですね。
安らかな大往生なら諦めがつくけど、2週間も病院で苦しんで
結局夜中に誰にも見取られず逝った子は忘れられません。



≡▲ 猫撮り専科 8匹目 ≡゚ェ゚≡
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